神経科学分野

この分野は、人間の認知行動と社会行動を支える脳のメカニズムや、これらのメカニズムが様々な疾患モデルでどのように変化するかを理解することを目指しています。 これはしばしば異なるタイプのデータを集めることを必要とするため、統合プラットフォームとして機能する1つのソフトウェアが理想的です。The Observer XTはそのプラットフォームとなる、人間の神経科学の研究でよく使われる専門的な研究ソフトウェアです。 これにより、fMRIデータなどのマルチモーダルデータやEEGやEMGなどの他の生理学的測定値と手作業でコーディングされた動作を簡単に統合することができます。例えば、EEGデータをビデオ録画と同期させることにより、関心のある行動をEEGデータポイントにリンクさせることができます。

視線解析データもThe Observer XTに統合することができます。アイトラッカーは、脳損傷、神経疾患、および一般的な視覚および神経機能を調査するのに特に有用となります。 手動イベントコーディング、アイトラッキング、さらには表情データなどの複数のデータストリームを組み合わせることで、研究セッション中に起こるすべてのことをより深く理解することが可能となります。

さらに、表情データをThe Observer XTに統合することもできます。 FaceReaderは、表情の自動分析のための最も強力なツールで、社会行動を評価するための神経科学研究、また自閉症患者の治療や診断ツールとしても使用されています。 FaceReaderは、<幸せ、悲しみ、怖がり、嫌悪感、驚き、怒り、中立、軽蔑>を自動的に分類。視線の方向、頭の向き、性別や年齢などの個人的な特性も表します。 さらなる詳細な解析のために、一般的に使用される20のフェイシャルアクションユニット(AU)の分析も利用可能です。

参考文献

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